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第七話:激動姫 雑誌を買った後、俺達は待ってくれていた輝と石火の所へ戻り、施設へと向かうために駅へと入っていった。 そこは結構混雑しており、進むのがなかなか大変だった。その途中、人混みの中では『見る』だけが精一杯な石火に変わって輝に手を貸して、電車まで連れていき、そこまで辿り着いた。 電車が来るまでの間、しばらく俺達は待つことにする。 「そういえばお前はどうして目が見えなくなったんだ? 思い出したくないなら答えなくてもいいけどよ」 「ああ。確かに気にはなるよね。それはね……」 輝は俺が問いかけると、自分がどういう人間で何故、盲目になったのかを語ってくれた。 彼は石火が言っていた通り、第一回世界神姫大会の優勝者だった。 数々の猛者と各国の企業や個人が作ったであろうカスタムをものともせずに、石火にヴァッフェバニー標準装備と動作不良を起こしにくい高い信頼性を今も勝ち得ているカロッテP12二丁で戦い抜いたのだという。 輝自身は謙虚に語っていたものの、その技術は恐ろしいモノがある。戦術、武装も世界クラスになれば、古今東西何でもござれのあらゆるやり方があっただろうにそれを拳銃二丁のみで全て対応しきるとはどう控えめに見たって神がかった腕前だ。 「ちょっと待てよ。その時期って言うとゼルノグラードって神姫は無いはずじゃないか?」 俺は浮かび上がった疑問をやってきた電車に輝と共に乗って、問いかける。その当時は『火器型神姫 ゼルノグラード』という神姫は存在しないという事だ。 一年前とくれば、第六弾と言われたティグリース、ウィトゥルース、グラップラップタイプが発売された時期である。その後、それに続いて、アークやムルメルティアといった第七弾として他社がこぞって自社の製品の発表を行って行く事になるのだが、だいたい半年前程にゼルノグラードも発表された。 ただし、あくまで発表であり、発売しているわけではない。となればどうやってゼルノグラードを発売前に確保したのだろうか。 「それは目が見えなくなった話と一緒に話すよ」 それを聞くと盲目についての話へと繋がった。 ある日……今から一年前の話らしいが、彼と石火は事故にあったのだという。 神姫センターに向かう途中、信号無視をした大型乗用車に跳ねられ、近くの店のショーウィンドウへと突っ込んでしまったらしい。 その際、輝は重傷、ショーウィンドウのガラスが目に刺さり、眼球は使いモノにならず、光を失った。 石火もひかれた際にコアが潰され、身体もメチャクチャになったそうで、何とかCSCは生きていたが、コアが失われた事で死も時間の問題だったらしい。 緊急手術をして輝は一命を取り留めたが目を失い、意識が一ヶ月の間戻らなかった。 輝は助かったが、意識の戻らない一ヶ月間が大問題だった。石火のボディがもはやスクラップ同然で、生きているのはCSCが無事だからかろうじてという状況だ。 このままでは石火が死んでしまう。 そうなれば輝は生きる希望を失ってしまうかもしれない。家族と彼との戦いで絆を交わした友人達は考えた。 その時、輝が神姫センターで仲良くなったという友人の一人が一つの神姫を持ち込んだ。 それが当時はまだ売られておらず、市販化が決定されたばかりの『火器型神姫 ゼルノグラード』の試作品だった。 その友人がそれを持ち込んだ理由はただ一つ。これを使って石火を直すという提案をするためだった。 しかし、その提案はすぐに通った訳ではなかった。コアを移植して修理をした場合、移植したそれがCSCに適合しなければ拒否反応を起こしてしまうかもしれない危険性をはらんでいたのである。 それを指摘された友人はこのまま何もせずに石火を死なせるよりはずっといい事を家族や友人に説得して回り、ついにその友人はゼルノグラードを使っての石火の大改修に乗り出した。 実はその友人はゼルノグラードを作り出したミリタリー神姫の製造会社 Vulcan.Labの社員の娘で中学時代から自身の手で神姫を修理、改造をこなす天才技師だった。 第一回世界神姫大会の時は石火の掛かり付けの技師として裏から支えていた実績もある。 話からすると、その人はバトルロンドが強い訳ではない。石火を越えようとライバルになった訳でもない。 しかし、石火と輝の卓越した才能に魅了された『ファンの一人』であり、『友人』でもある技師なのだと俺には理解できた。 神姫大会で優勝を挙げた功績による企業からの協力もあったが、最終的に彼女は企業から与えられた機材、材料、ゼルノグラードを使用して、自分自身の手で今の石火として拒否反応を引き起こす事もなく、修理してのけた。 友人の尽力によって石火は復活し、事故から一ヶ月後、輝は意識を取り戻した。 当初は、輝は目が見えなくなった事に絶望したが、友人によって救われた石火は「自分が輝の目の代わりをするから、二人で一緒に歩こう」とコア変更によって変わってしまった声で精一杯励まし、これからを話し合った。 そしてその時に盲導の訓練を始める事を二人で決めたのだという。 この事、それを見越していた友人はコアの目に内蔵されてあるカメラ機能を、企業の支援をいい事に最高級の代物を仕込んでおいてくれた。それによって石火は何の装備も無くとも高い索敵能力を持ち、それが並の神姫以上の盲導を可能としてくれた。 石火はその性能を盲導に活かし、輝と共に辛い訓練を頑張った結果、今を掴んだという事だった。 「かける言葉もないぐらいに頑張ったんだな……」 それを聞いた俺はこの二人の意志と友人の尽力に驚嘆した。その絆と思いは生半可なモノじゃなかった。 彼の言葉一つ一つに石火と自分の友人への感謝の念が込められており、今の生活を自分で誇る事なく、石火と友人がいたからこそという気持ちが痛いぐらい伝わってくる。 「石火と友達のおかげだよ。……いや、もう親友かな。目が見えなくなってから色々な友達が離れていったけど、その人はいつもの様に接してくれて、石火のメンテも欠かさずやってくれているんだ。本当に助かってるよ」 「輝~。『親友』じゃないっしょ? もう『彼女』じゃん。何照れくさそうにそんな事を言ってんの?」 「恥ずかしいことを言わないでよ……」 「だってぇ~『私じゃなきゃ石火は整備できないし、貴方も信頼できないでしょ? これからずっと貴方のパートナーでいてあげる』。な~んてプロポーズをかまされてんじゃあ、もう揺らぎようがないっしょ」 「う~ん……」 「それってどんなシチュエーションだったんですか?」 突然、蒼貴が話に割り込んできた。早速、食いついたか恋愛マニア。この手の話には敏感だ。大胆にも雰囲気を聞こうとしていやがる。正直、空気を読めていない気もするがその辺は自重しない気でいるらしい。というか興奮するな。 「それはね~」 「石火!」 「お嬢ちゃん方よ、人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじまえって言葉を知ってっか? ……輝が怒り出す前にやめときな」 見かねた俺は話をスッパリ切った。正直言って、俺はそういう類は苦手だし、そういう話を軽々しく話すのは好きじゃない。 「……はい」 「ぶ~ぶ~。いいとこだったのに~」 「お前は口が軽すぎなんだよ。ちっとは自重しろ」 「お堅いおじさんに言われたくないんですけど~」 「軽い口よりはマシだ」 「二人共、喧嘩は止めようよ……」 「そうよ。みっともない。それより何か施設が見えるけど、あれがそう?」 口喧嘩をしている俺と石火を紫貴が呆れ顔でたしなめ、自分が見つけたものを指差した。そこには周りの建物より一際広い真っ白で病院の様な施設があった。 広場があり、複数の建物があるそれは色々な道や状況を再現したものであり、それで神姫達と人々が訓練するだろう事が想像できた。 「ん? ああ~。あれがそう。輝、着いたよ~」 「そう。結構、早く着けた気がするなぁ」 「そうだね。さてと、入る前にちょっとここの説明しておくよ。まぁ、単なる諸注意だから軽~く聞いといてねっ」 「ああ。頼む。こういうとこに入るのは初めてだからな」 施設に近づく中、石火がこの施設についての簡単な説明を始めた。当たり前の様なものになるが、基本的にこの施設内では走ったり、騒いだりしてはならず、出来るだけ施設の人が歩いているのを邪魔してはいけないらしい。 また、どういう障害を負っているかの腕章をそこに限り付けてあるのでそれを留意した配慮も忘れないようにとの事だ。 要するに目の前の輝なら目が見えないのだから迂闊にぶつかったりしてはいけないし、耳が聞こえないのなら、話しかける時は筆談か手話をしろという事なのだろう。 その辺は自分で考えて工夫していくしかなさそうだ。 もっとも、意識をしろというよりも気遣いの気持ちが持てていれば十分だろう。そういう気持ちがあれば、多少判らなくって困ることもあるだろうが、自ずとその人に対してどうすればいいのかを考えられるに違いない。 後、関係者以外で入る場合は自分の個人情報を書いておかないとならないらしい。個人情報といっても名前と来た理由を書く程度なのでこれも大丈夫そうだ 「っとまぁ、こんな具合っ。わかった?」 「ああ。礼儀はわきまえるつもりだ。つか出来てないと入れてもらえないだろ?」 「まぁねっ。じゃあ行こうよ」 石火の説明が終わった頃には入り口近くに辿り着き、俺たちは盲導施設に入る事にした。 施設の名前は下北盲導神姫育成施設。文字通りの建物だが、訓練施設の他に病院施設も併設されているためか、怪我や病で障害を負い、それが治ってその経過を見つつも障害に関しての問題を解決していくという意味合いが強い場所の様だ。 中に入ってみると病院の待合室をイメージできそうな白を基調とした開放的な空間が広がっていた。病院と違うのは待合室にいるのは病に苦しんでいるための苦しみの顔というよりも自分の障害を憂いている先に対する不安が浮かんでいた。 それもそうだろう。人が当たり前の様に持っていたものの何かが失われているのだから、どうやってそれを補っていけばいいのか、不安で仕方ないはずだ。 だが、その傍らに神姫がいる人もいた。その人達は、ある人は輝と石火の様に目が見えなくても神姫と会話する事でそれを補い、またある人は耳が見えないのか、神姫と手話をする事で会話をしていた。 不安な顔をしている人達も神姫と共に生きていけば、輝達の様に笑っていけるのだろうか。どういう物語になるかはその人とであった神姫次第だろうが、希望はありそうだ。 そんな事を考えながら、俺は受付に輝の紹介で見学に来た旨を伝え、来た記録として自分の名前と来た理由などの簡単な情報登録を済ませた。 それが終わると問題も無く、施設に入ることを許可され、輝達について行く事にした。 「まずは盲導の訓練を見に行こう。僕らの事が簡単にわかると思うよ」 「ああ」 許可の下りた俺に輝が訓練の様子を見に行こう誘ってきた。確かに実際の様子が見られるのならば、一番手っ取り早く物事がわかるはずだ。 断る理由も無い俺はそれに応じ、そこへ行くことに決め、輝に付いていった。 彼についていき、辿り着いた場所は外だった。外といっても建物に囲まれた中庭の様なものだが、至る所にあらゆる状況を想定しているらしく、障害物や坂道、階段が歩く上で障害になりえるものが設置してあったり、エレベーター、自動ドア、バス停を再現したものがあったりと歩く事を訓練するのにはいい場所になっていた。 丁度、訓練の時間だったのか、何組かの人と神姫のペアが何とかして歩こうと試行錯誤を繰り返しているのが見えた。 大変ではある様だが、その顔には苦痛は無く、互いを信頼しあうために頑張ろうとしている努力の顔がはっきりと出ている。 「……どうかな?」 「ああ。素直にすげぇな。戦ったり、可愛がられたりするだけが神姫じゃないし、こうして助け合いを見ていると神姫ってのは改めてすごいもんだって思えるよ」 輝が俺の感想を伺おうと話しかけ、それに対して俺は素直に返した。 方向性は違えどバトルロンドで戦っている神姫とオーナーと変わる事は無く、絆を深めようとしている姿勢は感心せざるを得ない。 いや、神姫は戦いと愛玩だけが能ではなく、人もまた神姫とどういう関係を築いていけるかを開拓していこうとしているという事実には本当に頭が下がる思いだ。 こうした可能性があるという事を、神姫を持たない人々は知っているだろうか。こういう形で人を癒し、助ける彼女らはただの愛玩人形の範疇を超えている。 心というものを持っているという時点で自己を認識し、他者を慈しむ事の出来るヒトなのかもしれない。 「でしょ~? 最近の人達はあたし達神姫を意味も無く嫌うけどさ。こういう事が出来るって事を知ってくんないのかな?」 「そりゃ、こんな介護なんて普通の奴なら関わり無いから無関心だし、神姫なんて言えば小さい女の子のフィギュアだぜ? おまけに買うのはいい歳した野郎が大半とくりゃオタクのアイテムというのが表面的なイメージになっちまうのも当たり前だ。嫌なもんだが、そういう事は仕方の無い事さ」 「オーナーも最初はそうでしたよね?」 「……まぁな」 蒼貴が話に割り込んできて、最初の俺の事を聞いてきた。確かにそうだ。俺は蒼貴が来るまでは神姫はただの愛玩物か何かとしか思っていなかった。 実際、蒼貴をどうしようか困っていた所だった。だが、こいつを鍛えている内に気が変わった。そして自分の知らない世界を知った気がしたものだ。 「そうだね。僕らも事故にあう前はこんな事を考えるなんて考えたことが無かったよ。自分に関係ない事って言うのは本当に気づけないものだよ」 「そう……ですね。あ、オーナー。ちょっとこの訓練に参加してみませんか? ちょっと興味が出てきましたので……」 「あ~! 蒼貴! 抜け駆けは許さないわよ! 私も混ぜなさい!」 大事な事を話し合っている中、蒼貴が突然、盲目の時の訓練に誘ってきた。紫貴も何やら押しかけてきて、俺に迫ってくる。 どうもやる事は避けられそうに無いが、いい機会でもありそうだ。まぁ、アリか 「だ~喧嘩するな。ちゃんと二人でやってやるからよ。輝、俺もアレの訓練をやらせてくれないか? 身をもって体験しておきたいからよ」 「構わないよ。僕も一緒にやるよ。……プロもいる事だしね」 「へっへ~。輝もおだて上手だね~。あたし、頑張っちゃうよ」 輝に頼んでみると彼は快く了承してくれて石火も得意気な様子で俺の体験に付き合ってくれる事を言ってくれた。 偉そうな態度をしていて生意気ではあるが、その道のプロだ。当てにしておこう。 「じゃあ、行こう。そう時間のかかる事じゃないと思うしね」 「ああ」 戻る 進む
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MMS戦記 登場MMS MMS戦記に登場する主な神姫を紹介します。 巡洋戦艦型MMS「ネメシス級」 :カタリナ社・第5開発局製 :主兵装備 艦首拡散素粒子砲 2門 主砲 3連装レーザー砲 4基 対空機関砲 8基 艦首ミサイル発射管 4門 対空ミサイル砲 8門 AI小型対空ミサイル 2基 爆弾、巡航ミサイル 他 艦首に超強力な艦載砲、拡散素粒子砲2門を搭載。艦載砲というより艦自体を巨大砲身とするため、艦の軸線に沿って照準も艦自体の姿勢制御をもって行う桁外れの破壊力を持つ大口径砲を有し、また主砲として3連装レーザー砲を4基、計12門装備し、単体の神姫としては随一の攻撃能力を持つ。センサーやレーダー類も優秀で主に遠距離からの艦砲射撃により敵目標を殲滅する戦術を得意とする。また速力も速く、強力なエンジンが生み出す出力は高い巡航性能を誇った。通常の戦艦型神姫と同等の攻撃力を持ち高速力であるが、防御力は抑えられたものとされ、「自艦の搭載する主砲弾の攻撃に耐えられるだけの装甲を施すのが戦艦型神姫のセオリーであるが、それを満たさない艦が巡洋戦艦型神姫である」と定義された。防御力を妥協して速力を優先したため、バトルロンドではその快速性能を生かして、通り魔のように一航戦で強襲するなど一定の成果を証明したが、結局、正規の戦艦型神姫との砲戦では迅速に戦闘力を失うなど限界もまた露呈した。そのため装甲戦艦型神姫から「戦艦のようなもの」と言われ小馬鹿にされることもあった。だが巡洋戦艦型神姫は、強力な砲力を持ち高速力を有するゆえに、装甲戦艦型神姫よりも使いやすい艦種として活躍する機会が多かった。 相当な数が量産され、同型艦で艦隊を組み、遠距離からの艦砲射撃や艦首主砲を一列に並ばせ、面での殲滅砲撃や大量の爆弾やミサイルを満載し絨毯爆撃を行うなどで圧倒した。 ちなみに名前の由来はギリシア神話の女神、「ネメシス」に由来と推定される。 重巡洋戦艦型MMS「ネプチューン級」 :カタリナ社・第5開発局製 :主兵装備 艦首収束素粒子砲 1門 3連ヘヴィ・ターボレーザー砲 4基 2連装ターボレーザー・キャノン 3基 艦首ミサイル発射管 4門 対空ミサイル砲 8門 三連装小型ミサイル発射筒 4基 後部ミサイル発射管 8門 連装対空レーザー砲 4基 AI小型対空ミサイル 2基 爆弾 巡航ミサイル 他 メネシス級巡洋戦艦型神姫を拡大・発展させさらに攻撃、防御、センサー、巡航性能、すべてを強化した上位艦である。2030年代当時は全長550mmを超え武装神姫の中でも最大級の巨体であった。防御力を速力で補うというコンセプトで設計された最大最強にして究極の巡洋戦艦と呼ばれた大型戦艦型神姫であった。しかし建造・維持に莫大なコストを要し、本艦だけ突出して他の戦艦型神姫よりも速度が速かったため、艦隊を組みにくいなどのスペックには出ない運用面での問題が多々あった。また本級は敵戦艦からの砲撃に耐えうる防御を、限定的に配していため同じ戦艦型神姫との砲撃戦では充分な防御能力を持っていないなどの問題点があったが、それでも数多くいる武装神姫の中でも最大級の火力と高速度を有しており高い戦闘能力を誇る武装神姫であった。 名前の由来はローマ神話における海の神、「ネプトゥーヌス」の英語読み。 夜間重戦闘機型MMS「ブラック・セイヴァー」 :カタリナ社・第3開発局製 :主兵装備 3.5mm素粒子砲 2門 レーザーバルカン砲 6門 マイクロミサイルランチャー 2基 思考性巡航ミサイル 4発 チャフフレア 夜間戦闘を主軸に置いたステルス重戦闘神姫。モチーフは第二次世界大戦中の双発の大型夜間戦闘機群。実際の運用方法も参考にされている。 可変能力を有しており、巡航モードとMMSモードの2種類に状況に応じて使い分ける。 強力な素粒子エンジンを5基搭載し武装は非常に強力であり、リアパーツ部に長大な素粒子砲を備えている。この素粒子砲は熱量が高いので抑えることができるように特殊な液冷却装置が組み込まれており、高い威力を持ちながらも連射することが可能。また一撃で戦艦クラスの神姫も撃沈可能な高い命中率を誇る神姫サイズの大型思考性巡航ミサイルを最大4発搭載できた。それらの強力な火器を正確に命中させることができるように全身にレーダーやセンサーが点在しており、電子戦も得意とする。全身真っ黒なのはステルス塗料を塗ってあるため。重武装、高速航行、重装甲の非常にデラックスなカタリナ社らしい戦闘可変航空神姫であったが、重量級の機体のため旋回性能は劣悪で、ドックファイトを挑まれると、どうしても大回りになってしまい横転性能も鈍いため、本機は一航行戦闘の一撃離脱戦法に徹した戦い方を行った。搭載力を生かして夜間侵攻用の戦闘爆撃機として利用されることも多く、電子装置も優秀だったため、強行偵察などにも使用された。かなりの高コストのゴージャスな神姫のため生産数は少なくバトルロンドでは滅多に見かけることはなく、存在はあまり知られていない。 名前の由来、セイバーとは騎兵隊の軍刀のことであり「黒い軍刀」という意味になる MMSモード 機動性に優れるが速度が落ちる。 バイザーをはずした素顔 巡航モード 速度に優れるが機動性が落ちる。 将校型MMS 「カトリーヌ」 :カタリナ社・第7開発局製 :主兵装備 無 大多数の神姫が参加するバトルロンドで部隊の統括および指揮を行うことに特化した特異な神姫。武装は一切持っておらず直接戦闘することを想定していない。主な運用方法は作戦・戦闘において任務達成のために他の神姫を効果的に配置・移動して戦闘力を運用する。 マスターはあくまで「戦略」を担当し本神姫は「戦術」を担当し分業化することで戦闘を効率よく行うのが目的である。他の同じような将校型神姫や参謀型神姫と共に行動し司令部を設置することもある。基本的にマスターの補佐を行う参謀のような役割を行うが、場合によってはマスターの代理として神姫に命令を下したり指示する。武装はまったく装備していないが、1体いると集団戦闘では非常に重宝しこの神姫がいるかいないかで戦場は大きく変わる。 驚異的な演算処理能力を有しており、簡易的な未来予測も可能である。 脅威的な演算能力を有し、神姫を駒のように操る。 航空母艦型MMS 「レディ・レックス」 :カタリナ社・第5開発局製 :主兵装備 2mm単装砲 5基 1.2mm連装砲 2基 大型ミサイルランチャー 2基 サブロック魚雷 6基 武装神姫 等 カタリナ社第5開発局が開発した航空母艦をモチーフとした超巨大な武装神姫。全長600mm全幅150mmという現存する神姫の中でも桁はずれの巨体を誇る。 極めて特殊な性格を有する神姫である。すなわち本体としての攻撃能力は殆ど搭載した武装神姫に依存しているため、本神姫の戦力は搭載した航空神姫の能力や機数とそれらを指揮運用する能力で決まる。 最大の特徴である飛行甲板は航空神姫を離艦・着艦させると同時に、航空神姫に対する整備能力とバッテリー燃料や武器類の補給能力を有し、単独で航空戦を継続する能力を有する。重厚長大の巨体には桁外れの積載力、豊富な火力、重厚な装甲を持ち、また相当数の完全武装の神姫を搭載しレーダーやソナー、通信などを集約したCIC(戦闘指揮所)を内部に有しオーナーや内部のMMSとともにマン・マシン・システムを形成して、戦闘中の情報処理を一括して担うことが可能で、移動要塞として運用可能な本MMSはバトルロンドでは非常に大きな脅威として見られていた。 ステルス戦闘機型MMS 「ラドガ・テュポーン」 :カタリナ社・第3開発局製 :主兵装備 サイレンサー付サブマシンガン 1丁 マシンキャノン 2門 格納式マイクロミサイルポッド 4個 エネルギーサーベル 2本 アサルトナイフ 1本 ナックルシールド2個 カタリナ社の第3開発局が開発しステルスを重視して設計されたステルス神姫、レーダーに映りにくい形状や特殊塗装がされている。 全身に装備された格納式マイクロミサイルポッドや機関砲を装備し、コンパクトに火力がまとめらて見た目よりも重火力を持ち、巨大なリアブースターは爆発的な加速力を生み出し、機動性も高い。だが、欠点として防弾にはさほど関心がされておらず、防御能力に不満が残る。ステルス性を生かして夜間戦闘や視界の悪いフィールドなどのバトルロンドで活躍した。 2030年代前半に登場したやや旧式のMMSではあるが、2040年代でもまだまだ現役で相当な数が可動している。 「テュポーン」ギリシア神話に登場する暴風や台風の神という意味を指す。 ステルス戦闘機型MMS 「シュペル・テュポーン」 :カタリナ社・第3開発局製 :主兵装備 大型ライフル 1丁 マシンキャノン 2門 格納式マイクロミサイルポッド 4個 エネルギーサーベル 2本 アサルトナイフ 1本 ナックルシールド2個 ビームキャノン2門 現在使用されているティポーン型の上位機種、指揮官型として再設計された。武装が新たにビームキャノンが追加されバーニアも強化されたが、基本的なスペックはさほど変わらない。バランスのよい機体で高い機動性を持ち、全身にステルス塗料が塗られておりレーダーに探知されにくい。一撃離脱の戦法よりドックファイトなどの格闘戦が得意。 ちなみに「シュペル」とはフランス語で「スーパー」という意味なので、本機はテュポーンの上位機種「スーパー・テュポーン」になる。 2030年代の後半に普及し、2040年代でも遜色ない能力を有する。
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第2部 「ミッドナイトブルー」 第6話 「night-6」 西暦2041年 5月21日 23:55 『大阪府 大阪市 鶴見緑地センター店』 静かな湖をゆっくりと進むアルファ艦隊。上空では航空神姫が編隊を組んでいる。 ツラギの艦内にいるナターリャが無線を掴み、スイッチを入れる。 ナターリャ「12時まであと5分!!総員警戒を密にしろ」 戦艦型神姫のヴィクトリアとマキシマは砲身を空に向ける。 ツクヨミ「なあ、アオイ・・・奴は来ると思うか?」 アオイ「ああん?」 ツクヨミ「こっちは準備万端で待ち構えているんだぜ?わざわざ飛び込むなんて正気の沙汰じゃねえ」 隣を飛んでいたフェリアが口を挟む。 フェリア「奴は来る。罠だと分かっていても、圧倒的な戦力差だろうと関係なしに襲ってくる」 アオイ「あああ・・・・そうだな、奴はSSS級のランカー『夜帝』だ。この程度でびびるような奴じゃない・・・むしろ・・・」 アオイは言葉を詰まらせる。 ツクヨミ「?」 アオイ「むしろ・・・喜んでいるんじゃないのか?」 カチリ 公園の時計の針が12:00を指す。 バトルロンドの筐体の前に夜神がすっと立ち、右腕を上げパチンと指を鳴らす。 チカチカと真っ暗な闇の中で青白い光が輝く。 戦闘機型MMSの「カグラ」が目をこらす。 カグラ「ううん?なんだ?」 そう言い終わらないうちに青白い光に貫かれてカグラの身体がドロっと半分溶け爆発した。 □戦闘機型MMS「カグラ」 Aランク 撃破 さっそく撃破テロップが踊る。 ノザッパ「で、でたァ!!!!!!!夜帝だァ!!!!!!」 巡洋戦艦型のノザッパがハデに主砲を発砲する。 ビッシュン!!ビッシュウン!!! シュヴァルはくんと機体をひねりノザッパの砲撃を回避する。 □ 夜間重戦闘機型「シュヴァル」 SSSランク 二つ名 「夜帝」 オーナー名 「神夜 晃」 ♂ 26歳 職業 ホスト 夜神「バトルロンド開始、フィールド内の戦艦型MMS、および武装神姫を全て排除する」 シュヴァルが金色の目を光らせてつぶやく。 シュヴァル「イエス、マイマスター」 ナターリャ「来たな!!化け物めッ!!全神姫戦闘開始」 ツラギの艦内にいるナターリャが叫ぶ。 ツラギの両サイドに護衛を勤めるマキシマとヴィクトリアが一斉に遠距離から艦砲射撃を行う。濃いブルーの湖の上に巨大なツラギの船体がマキシマたちの砲撃の煙でぼんやりと見える。 夜神「大型航空母艦型MMSを確認、大型の戦艦型も数隻いるな・・・」 シュヴァル「取り巻きの戦艦型は昨夜交戦した『灰色艦隊』の残存艦ですね」 夜神がふっと口元を歪ませる。 夜神「空母型1、戦艦型3、艦載機12!!私のシュヴァルの命の見積もりが安いということを証明してみせなければな!!!」 ビッシュン!!ビッシュウン!!! ノザッパが主砲のレーザー砲を撃ちまくる。 野木が筐体のマイクを掴んでノザッパに命令を下す。 野木「主砲一斉射!!砲身が焼きついてもかまわん!!撃ちまくれ!!」 その横で今宮が筐体の画面を見る。 今宮「フェリア、アネット、そのまま前進、ムリに撃ちあう必要はない、スタジアムに追い込め」 フェリア「了解」 フェリアとアネットはリアパーツのスラスターを吹かしシュヴァルの側面に回りこむ。 ノザッパのレーザーが空気を熱く焦がし、軌跡がシュヴァルを照らす。 シュヴァル「ふっ!!」 短く息を吐き、フラップを思いっきり下げ、フェリアとアネットを引き離す。 アネット「ノザッパ!!そっちに行ったぞ!」 巡洋戦艦型MMSのノザッパに急速接近するシュヴァル。 野木「ノザッパ!狙われているぞ!」 アオイとツクヨミがちゃかす。 アオイ「ノザッパ大変だな(笑)」 ツクヨミ「あーーあーー終わったな、かわいそうにwwww」 ノザッパ「うるさいうるさい!!!やかましい!!!黙れェ!!!!!!!」 ノザッパは周りから野次を言われたりせかされたりして半泣きだ。 天使型MMS「レコア」と剣士型MMS「ノロヴァ」がノザッパの横につく。 ノロヴァ「く、来るぞ!!」 レコア「畜生!!やってやる!!どこだ!!」 ノロヴァは剣をすらりと抜き、レコアはアルヴォ機関銃を構える。 2人は真っ暗闇のため、シュヴァルがどこにいるのか把握できていないが、ノザッパは戦艦型の優秀なレーダーのおかげで暗闇の中でもかろうじてシュヴァルを捕捉できていた。 ノザッパが対空ミサイルを数発連射する。 ドシュドシュドシュ!! ノザッパ「2時の方向だ!!突撃しろ!!」 ノザッパが指示するとレコアがアルヴォ機関銃を発砲し、ノロヴァが剣を振りかざし突撃する。 レコア「おおおおおおおおお!!」 ダダッダッダダダダン!! シュヴァルはレーザーマシンガンを撃ちミサイルを叩き落とし、レコアの銃撃を軽く回避し、ノロヴァに突っ込む。 ノロヴァ「ぅアッああああ!!?」 シュヴァルは強化アームをぐんと伸ばすとノロヴァの首をワシ掴みにする。 ノロヴァ「ぐひゅ!?」 シュヴァルはそのまま、グキッと力を入れて首を捻じ曲げると、レコアに向けてノロヴァの死骸を放り投げる。 レコア「うあああ!!?」 ガッシャーーーン クラッシュする2機、シュヴァルは2機まとめてリアパーツの素粒子砲でぶち抜いた。 ビッシュビッシュウエエン!! □天使型MMS 「レコア」Sランク 撃破 □剣士型MMS 「ノロヴァ」 Aランク 撃破 ノザッパ「なっ・・・」 あっという間に前衛の2機が撃破されることに驚愕するノザッパ。 爆炎の中から勢いよく煙を吹き飛ばしてシュヴァルがノザッパに接近する。 野木「対空砲火!!!近づけるな!!!!!!!」 野木が叫ぶ。 ノザッパの全身からミサイルが発射され、機関砲、主砲が一斉に火を吹く。 ノザッパ「来るな!!来るなッ来るなああああああああああああ!!!」 シュヴァルはミサイルや対空砲火、主砲の斉射を掻い潜り、大型のミサイルを発射する。 ドッシュッ!!!!!! 野木「敵機、大型ミサイル発射!!」 ビーーーー!!ビーーーー!! ノザッパの頭の中でミサイル接近中のアラームがけたたましく鳴り響く。 ノザッパ「か、回避不能!!うああああああああ!!」 ドズンッ!!! ノザッパの横腹に深く突き刺さるミサイル、そして大爆発を起こし轟々と炎を吹き上げる。 炎は一瞬、真っ暗だった湖の水面を照らし、明るくする。 ノザッパが断末魔の悲鳴のようにサイレンを鳴らして沈没する。 ウウウウーーーーーウウウウウーーーーーーウウウーーー ノザッパ「ば、バカな・・・・つ、強すぎる・・・」 ズンズンズンズン!! ノザッパの内部で誘爆を起こして船体が真っ二つに折れると吸い込まれるようにノザッパは急速に湖の底に沈んでいった。 ノザッパ「うっわああああん!!もういやだ!なんでこんなんばっかりーー」 □巡洋戦艦型MMS 「ノザッパ」 Aランク 撃破 ナターリャはレーダーからノザッパの姿が消えるのを身震いした。 ナターリャ「あっという間に3機の神姫が撃破され戦艦型神姫が1隻轟沈とはな・・・噂以上の強さだな!!」 野木「関心している場合か!!このままでは昨夜の二の舞だぞ」 ナターリャ「ぎゃんぎゃん吼えるな、手はすでに打ってある。ツラギ、全神姫に伝えろ、スタジアムまで後退せよとな」 ツラギ「スタジアムに!?でもあんなだだっ広い寸詰まりの所に入ったら、逃げられねえ!!」 ツラギの甲板にいた砲台型のルーシや悪魔型のニパラもびっくりし、横にいた重巡洋戦艦型のマキシマも野次を飛ばす。 マキシマ「そうだぞ!しかもスタジアムの中は真っ暗闇だ・・・相手は重夜戦だぞ、レーザーや索敵性能は向こうの方が上だァ!!」 ナターリャ「黙れ、そんなことは知っている、そこが奴の弱点だ・・・優秀すぎる性能が逆に弱点になるということを教えてやる」 ナターリャは自信たっぷりに言った。 ヴィクトリアはナターリャに何か策があることを感じ取り、黙って後方に下がる。 ツラギ「くうう!!全神姫、後退せよ!!」 再び静寂が戻るフィールド。一部始終を見ていた他の神姫たちは驚愕のまなざしでノザッパが撃沈された場所を見つめる。 アオイ「おいおい、まじかよ・・・」 ツクヨミ「ひ、ひいい」 マレズ「まだ5分もたってねーぞ!!おい!!」 衛山「ツクヨミ!!ムリに戦うな!!ナターリャが指定したスタジアムに移動しろ!!」 フェリアとアネットは逃げこむようにスタジアムのグラウンドに必死で移動している。 よく見るとツラギやマキシマたちもスタジアムの方角に後退している。 アオイ「あっ!!卑怯だぞ!!オマエラだけ逃げるな!!」 アオイたちもそそくさとスタジアムに逃げ込む。 神姫たちがスタジアムに逃げ込むのを確認するシュヴァル。 夜神「やれやれ、この程度で怖気づいて逃げ出すとは・・・」 シュヴァルがカシャンと巡航モードに変形する。 夜神「駆り立てろ、シュヴァル!!一機残らず皆殺しにしろ!!」 シュヴァル「イエス、マイマスター」 夜神ははあとため息を付く。 夜神「愚かな連中だ・・・あんな真っ暗闇のスタジアムに逃げ込むとはな・・・障害物も何もないスタジアムのグラウンドに逃げ込めば、袋のネズミだ。こっちはレーダー、センサー共に暗闇の中でもはっきりと捕捉できる。それにシュヴァルの目は普通の目じゃない。最優秀の暗視センサーだ・・・一匹残さず捕捉し潰してやる」 シュヴァルはグンとエンジンの出力を上げ、加速するとスタジアムの中に入っていった。 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>第7話 「night-7」 前に戻る>・第5話 「night-5」 トップページに戻る
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光と影のクリスマス 前編 今年も後一ヶ月を切り、町の中はクリスマス一色になった。そんな中、いずるはある場所に足を運んでいた。 「確かここだったはずなんだけど…」 いずるの探している場所とは、新しく開店した神姫専用ショップのことである。ここでいずるはあるものを探していた。 エレベーターに飛び乗り、最上階に向かういずる。ショップはこのショッピングモールの最上階にあるのだ。 「この階にあるみたいだな。 どこにあるのかな…」 周りを見ながらショップを探すいずる。暫く探しているうちに、やっと目当てのショップを発見した。 「けっこう並んでるんだな。無事買えるかどうか…」 なぜ彼がこんなところにいるのかというと、こんな理由があるのだ。 「やった~、これで通算100勝目だ~」 バトルが終了して控え室に戻るいずるとホーリーは、今回の闘いで100勝したことを自慢げに話していた。今回のバトルはハウリンタイプの神姫が相手で、数分でホーリーの勝利で終わったのだった。 「ああ、それはよかったな」 それに対していずるは喜ぶどころか微笑み一つしなかった。 「え~、それだけ?もっと喜んでもいいのに…」 そこへ廊下で待っていた恒一とシュートレイが祝福して迎えてくれた。 「やったなホーリー、これで1ランク上昇したな」 「おめでとうございます」 「えへへへ、このままいけばすぐにランクアップしちゃう勢いだよ」 はしゃぐホーリー。しかしいずるは余計に心配の色を隠せずにいた。 「喜んでいいのかホーリー、油断大敵って言うだろう。今回のバトルだって相手が強くなかったから勝てたんだからな」 「おいおい、お前相当カチカチになってるな。100勝したんだから、もう少し喜んだっていいだろうに」 「とはいっても、まだ100勝目だし、これから順調に勝ち進めるとはいえない。それにまだ強敵が大勢いるんだから、油断なんてできないよ」 カリカリしているいずるは、思わず起こったような口調になってしまった。 「でも、ここまでがんばったんだから、おめでとうの一言くらいかけてもいいはずだぜ。…もしかしてお前、あの神姫のこと、頭で考えてるんだろう?」 恒一の言うとおりだった。あの時のことをいずるは考えていたのだ。いずれはあのブラッククリスマスと対戦することになる。そのとき、ホーリーの身に何かあったら…彼の脳裏には不安ばかり浮かんでは消えて行った。 「…本当いうとあのBクリスマスのことが頭から離れないんだ。あの神姫はほとんど実践経験がないはずなのに、神姫を次々と再起不能寸前にまで追い込んでいる。あの神姫の狙いが分からないと、うかつに闘う事はできない」 「そうか、あの神姫はシュートレイですら再起不能寸前まで追い込んだ相手だからな、不安なのも無理はないな。でも、今日くらいはそのことなんか忘れた方がいいんじゃないか?せっかく相方がランクアップしたんだからな」 恒一はいずるの背中をバンバン叩いて元気付けてあげた。 「そ、そうだな。でも、今回のランクアップでBランクに上がっただろ。それはシュートレイやあのBクリスマスと同じランクになったということになるじゃないか。もしBクリスマスと闘う事になったら…」 「バカなこと言うなよ」 恒一が叱咤した。 「そうなることはお前も知ってるだろう?このままでも自ずとランクは上がるんだ。酷なことかもしれないが、ここまできたならお前達も覚悟決めろよ」 恒一の言葉にいずるは唖然とした。なぜなら、あの恒一がこんなことを言うとはしんじられなかったからだ。 「だが、そのBクリスマス、実は公式の神姫じゃないっていう噂があるんだ。コミッショナーの意見で暫くの間はBクリスマスの出場を停止するらしい」 「出場停止…」 「だからお前は心配しなくていいんだ。せっかくのお祝いだろ?そんなことで水を差すようなことをしない方がいいぜ」 Bクリスマスの出場停止の話を聞いたいずるは、少し安心した。そして改めて恒一に礼を言った。 「ありがとう、おかげで気持ちが楽になったよ」 「いいってことよ。それより、ホーリーに何かプレゼントしたらどうだ?100勝記念として彼女の好きなものでも買ってあげなよ」 「ああ、そうだな。ホーリー、リクエストは?」 しかしホーリーは疲れたのか、スリープモードに入っていた。 「あれだけ動いたんですから、眠くなるのは当たり前ですよ」 バッグのポケットからミルキーが出てきて、ホーリーをバッグ内の簡易ベッドに運んだ。 「ありがとう、ミルキー」 「ところでプレゼントの事ですが、お姉さんには暫くの間黙っておきましょう」 「え?どうしてだよ?」 ミルキーの発言に驚くいずる。それを後ろで聞いていた恒一は、思わず納得していた。 「なるほど、ホーリーを驚かせるためだな」 「どういうことだ?」 「お前、鈍いな。プレゼントは驚かすために贈るものだぜ。それに、なによりそうした方が相手も喜ぶだろうが」 その言葉を聞いて、いずるはこの分野について鈍い事に気付いた。 「…そうか、たしかにその方がホーリーだって喜ぶだろうな。分かったよ、ホーリーには内緒にしておこう」 「物分りがいいな、お前は。実は今度、この近くのショッピングモールに神姫ショップがオープンするそうなんだ。そこでホーリーの喜ぶものを買えばいい」 恒一は新ショップのチラシをいずるに渡した。 「あいにくこんなのしか手元にないが、これに場所が載ってるから分かるだろ。あと、開店日は12月の第1土曜日だ。人気の商品をゲットしたいなら初日を狙うんだな」 「ありがとう、こんなことまでしてくれて…」 「いいってことよ。その代わり、クリスマスには誘ってくれよな」 そういい残して、恒一はこの場を去った。残されたいずるとミルキーは、ホーリーのプレゼントの事について話を続けた。 「それで、何を買うんですか?12月まであと少ししかありませんよ」 「そうだな、どうしようか…」 帰る準備を始めるいずるだったが、プレゼントの事を考えるあまり、手元がおろそかになっていた。 「いずるさん、早くしないと次に使う人が来てしまいます」 「ああ、そうだったね。早く帰ろう」 慌てて準備を終えたいずるたちは、そそくさと控え室を後にした。 「けっこう並んでるな…」 ショップに連なる長い列を見て、いずるは呆然とした。 「とりあえず並びましょう。時間が経てばもっと長くなりますから」 ポケットからミルキーが顔を出してきた。 「そうだな、早くならばないと売り切れるからな」 いずるは最後部に並んで開店を待った。 そして待つこと一時間近く…、開店を告げるアナウンスが鳴った。 『只今より開店いたします』 その瞬間、列がショップになだれ込み、たちまちショップ内は満員になった。 「すごい人だかりだな、この調子で目当てのものなんか買えるんだろうか…」 人だかりを掻い潜り、いずるは武装パーツコーナーへたどりついた。 「ここにもいるのか…。早い所目当てのモノを買わないと」 武器やサブウエポン、それと洋服まであるこのコーナーで、いずるは目当てのモノを探した。 「あ、ありました!こんな所に!!」 ミルキーが棚の上を指さした。その上には目当てのパーツが一つ、奥のほうに置かれていた。 「やっと見つかった。これでホーリーも喜ぶぞ。ところでミルキーも何かほしいものあるだろう?遠慮しないでいいなよ」 功労者のミルキーを見て、いずるはほしいものがあるか質問した。 「い、今の所は特に…」 「遠慮しないでいいんだよ。これは私からのプレゼントだからね」 いずるの言葉に、ミルキーは恐る恐るある方向へ指を差した。 「…あれがほしいのかい?」 それは、鳥形のペットロボットのキットだった。 「…わたし、一度でいいからこれほしかったんです。これならお話もできますし、お友達にもなれるでしょう?」 ミルキーの意外な言葉に、いずるは驚いていた。 「…だめですか?」 「いいや、いいよ。それにミルキーにとって始めてのプレゼントだから、買ってあげるよ」 それを聞いたミルキーは、思わず顔を赤らめながらコクコクと頷いた。 「…あ、ありがとう、ございます…」 そしてバッグの中に逃げ込んでしまった。 (…あれ?どうしたんだろう?ミルキーのも意外なところがあるんだな) 一瞬疑問に思ったいずるだったが、すぐにそれを忘れてレジに向かった。 次の日、いつもと変わらない日常を過ごしていたいずる達に、ある情報が飛び込んだ。 「これは…!」 「ああ、恐れてたことが起きたようだな」 いずると恒一は学校のパソコンを使ってインターネットのニュースを見ていた。その中にBクリスマスのバトル復帰の情報が載っていたのだ。 「一体どうなってるんだ…。Bクリスマスは出場停止になったんじゃないのか」 「おそらく、Bクリスマスの行為がレギュレーションに違反してないと判断したんだろうな。そうじゃなきゃ、こんなニュース入ってくるはずないじゃないか」 強敵の復帰に不安の色を隠せない二人は、どのような対策を練るか考える事にした。 しかしそれから数日後、いずる達をさらに不安に陥れるニュースが飛び込んでくることになる…。 つづく もどる 第十三話へGO
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第一話 「塩と米だけで」 夕暮れ時の商店街は、夕食の材料を買いに来る主婦や、仕事帰りに呑みに行くサラリーマンでいつも賑わっている。 あちらこちらで、魚や肉の安売りを知らせる威勢の良い声や、買い物先で知り合いと世間話をするおばちゃんの笑い声がする。 そして店先には、まな板の上に乗せられるのを待っている魚や野菜たち。 なんともいえない、この独特の空気が、俺はたまらなく好きだ。ちょっと息を深く吸い込むと、通りかかった惣菜屋の前から揚げたてのコロッケの香ばしい匂いがする。 「おう、あんちゃんじゃねえか。そんなとこでどうしたよ?」 「ああ、ちょっと買い出しに……」 惣菜屋のおっさんが笑いながら声をかけてくれた時だった。 「キャーッ!」 いきなり、甲高いおばさんの声が響く。 「ひったくりよ-! だれかーっ!」 見れば、犯人であろう高価そうなハンドバッグを握った自転車が通行人を突き飛ばす勢いでこちらに向かってくる。 道行く人々は、自転車のあまりの勢いに、慌てて避けるか呆然としているかだ。 ……やれやれ。 「おい、あんちゃん!?」 後ろでおっさんが驚いたようだったが、この際だ、気にしていられない。 こういう時は……助けるのが男だろ? 自転車は速度を緩めることなく走り続けている。 「待て! このひったくり野郎……!」 ぐしゃ。 あれ? 「本当に、ありがとうございました~」ハンドバッグを手渡すと、おばさんは丁寧に礼を述べてくれた。 「そんな大した事じゃないっスよ」 まだひりひり痛む顔を押さえながら、努めて明るく振る舞う俺。 なんでこんなギャグマンガみたいな事になるんだよ。 「しっかしあんちゃんもやるなあ、まさか体張って止めるなんてよ」 薬を塗ってくれるおっさんは、妙にエキサイトしている。 「ははは……」軽く相づちを打っておく。 ……本当は顔で止めるんじゃなく、もっと格好良く捕まえるつもりだったんだけども、まあ、結果オーライって事で。 「それで、こいつはどうすんだい?」 おっさんがあごで示したのは件のひったくり野郎だ。 ずいぶん小さい奴だと思ったが……こいつは。 「中学生じゃねえか」 ひったくりをしやがったのは、学生服を着た子供だった。最近は物騒なもんだ。 「おいガキ、なんでこんな事しやがった」 俺が尋ねると、 「……クレアが」 「クレア?」 「クレアが死んじゃうんだよ!」いきなり叫びやがった。 「あー、分かるように説明しろ」 「……僕の……神姫が、取られちゃって、それで……」 神姫がらみか。なら……。 「おっさん、あとは俺がやる」 「あんちゃん!?」 「心配いらねーよ。ほら、来いガキ」 少年の袖を掴む。 「どっ、どこ連れてくんだよ!」 「ギャーギャーわめくな。話を聞かせてもらうだけだ」 抵抗する少年を引っ張りながら、俺は商店街を歩いて行った。 「ほら、ここだ」 やっと帰ってこられた。てこずらせやがって。 「……ここは?」 少年は目の前の古びた……もといレトロな店を不安そうに見上げている。 「見ての通り、料理屋だ。ほら、入った入った」 俺にせき立てられている間、少年の目はずっと店の前ののれんに引きつけられていた。 そう、ここが俺の居場所。 「明石食堂」だ。 「おやっさーん、今帰りましたよー」そう言いながら、のれんをくぐる。 少し遅れて、店の奥から柔和そうな笑みを浮かべて現れたのは、この店の主。明石のおやっさんだ。 「おや、お帰り。ずいぶん遅かったけど……その子は?」 「ひったくりですよ。あ、これ頼まれてたやつです」俺の言葉に、少し少年がびくりとした。 「ひったくり……かい?」荷物を受け取ったおやっさんの表情が曇る。 「あ、いや、今は客です」 おやっさんは不思議そうな顔をすると、 「……まあ、事情は分からないが、お客ならもてなさないとね」 そう言って、調理場の方へ下がっていった。 「さて」 手近にあった椅子を引き寄せると、そこへ少年を座らせる。 「話してもらおうか。さっき神姫が取られた……とか言ってたが」 俺が聞いても、まだ少年はうつむいたままだ。 「あー、別にお前を警察に突きだそうってわけじゃねーよ」 そう言っても、まだ口を閉ざしたままだ。 どうしたものかと思っていると、 「アキラさん、お帰りなさい」 唐突に、鈴の鳴るような澄んだ声がした。 振り向けば、そこには。 「メリーか」 身長15センチほどの俺の相棒、メリエンダのメリーがいた。 「はい」いつの間にかテーブルにいたメリーは、さも嬉しそうに駆け寄ってきた。 「丁度お掃除が終わったところで……あら?」メリーは、そこではたと足を止める。 「アキラさん、怪我してるじゃないですか!?」 俺は頬の湿布を触る。腫れは大分引いていた。 「ああ、大したことじゃ……」 しかしメリーは聞いていないようだった。 「大変です!アキラさんが怪我を! ……ハッ! まさかこの子が!? なんて事をするんですかこのク○ガキ……!」 「あー、あながち間違いではないんだがとりあえず落ち着け。あと、女の子がク○とか言っちゃいけません」 そんな俺とメリーのやりとりを見ていた少年は、ゆっくりと顔を上げた。 「おじさん……神姫のオーナー?」 「お兄さんと呼べ。……こいつはメリー。ウチでウェイトレスをしてる」 メリーはスカートの裾をつまむと深々と頭を下げる。 「メリーと申します。先程ははしたない所をお見せしてしまいました」 少年は目を見開いた。 「神姫がウェイトレスをするの?」 「そんなに驚く事か?まあでも、少し珍しいかもな」 その時丁度、おやっさんが茶を持ってきてくれた。 「はい、どうぞ」茶を置くと、おやっさんは奥に引っ込んでしまった。 「どうも……」 まだ湯気の上がるほうじ茶に手を付けた少年に、俺はやんわり話しかける。 「さっき、神姫を取られたって言ったな。どういう訳か話してみてくれないか? 見ての通り、俺も神姫のオーナーだ。何か力になれるかもしれないぜ」 すると少年は、ぽつりぽつりと話し始めた。 聞けば、少年にはクレアという神姫がいたらしい。 この辺りのゲームセンターにも週に何度か足を運び、そこの仲間達と練習したりして、毎日楽しくやっていたそうだ。 だが、ある日隣町の中学の上級生グループがやって来て、バトルのコーナーを占拠してしまうようになった。 店側が注意しても、態度は全く変わらない。話によると、隣町では有名な不良グループらしかった。 困り果てた少年達は、不良達になんとか出て行くように頼んだ。 するとリーダー格の奴は、試合に負けたら出て行ってやる、と言ったそうだ。 そこで少年とクレアが代表として戦ったのだが、相手の神姫は相当にカスタマイズされていたらしく、初期武装しか持っていなかった少年達は返り討ちにされてしまった。 しかも相手のリーダーは「報酬」としてクレアを奪い、「返して欲しければ自分に勝つか、さもなくば明日までに七万持ってこい」「この事を誰かに言ったらこいつは壊す」と言ったのだという。 「……それでひったくりなんかした、ってわけか」 「……誰にも言えなくて……それにどうしても、クレアを取り戻したかった。だから……」 「非道い話ですね……」メリーも沈痛な面持ちだった。 少年はそれきりまたうつむいてしまった。 「事情は分かった」俺はそう言うと、厨房に入る。 何をするのかと少年が見ている中、まずは手を洗う。 「けどよ、いくらなんでも泥棒はいけねえよな」そう言いながら手に塩を付ける。 「それは分かってるよ!」 「まあ待てよ。……未遂とは言えお前のした事は犯罪だ。本当なら警察に突き出されても文句は言えねえんだ。そこは分かるよな?」使い古された白い炊飯器を開け、中身を手に取る。 「うん……」 「ならいい。反省してるならな。それに」手に取ったそれを両手で包むようにして何度かにぎる。 「困ってんなら、誰かに相談したっていいんだぜ」 「でも、そうしたらクレアが……」 「そのリーダーってやつか? 気にすんなよそんなん」 「でも!」 「そんなくだらねー脅しなんか気にしなくていいって。でも、確かに相談しづらくはあるよな」少しいびつな三角形になったそれを小皿に乗せてやる。 「騒ぎになってそいつらの耳に入ったらお前の神姫は無事では済まないかもしれねえし、親に相談したら神姫なんかやめろ、とか言われるだろうしな」 「……」 「だからさ」出来上がったそれを少年の前に置く。 「誰にも相談できねえってんなら、俺がなんとかしてやるよ」 「……え?」 「お前の代わりに、クレアを連れ戻してやる」 「ホント……?」 「ただし。お前にはそれなりの事はしてもらう。それに今日はもう遅い。それ食って帰んな。サービスだ」 少年の前にあったのは、真っ白い握り飯だった。 「これ、おにぎり?」 「ああ。うめえぞ。食ってみ」 少年は恐る恐る手を伸ばすと、米の塊にかぶりつく。 途端、少年の目に驚きが走ったのが分かった。 「おいしい」 「だろ?」 夢中で食べ続ける少年。こうも旨そうに食ってくれると、作る側としてもありがたい。 「塩と米だけでも、これだけのもんが作れるんだ」俺はまた少年の前に座る。 「さっき、相手の神姫はカスタムされてたとか言ってたが、どんなもんだった?」 「うん……僕、すぐ負けちゃったから良く見てなかったけど、すごい火力だった……きっとすごくお金がかかってるよ」 「なるほど……ね」 金をかけてる……か。 「よし、今日はもう暗いから帰んな」 俺が帰るように促すと、 「……お兄さん、名前はなんて言うの?」 真顔で聞いてきた。そういえば、まだ言ってなかったか。 「俺は輝。島津輝だ。お前は?」 「水野、健五」 「健五か。じゃあ健五、明日また来い」 夜も十一時を過ぎた頃、俺はメリーとテーブルを拭いていた。 「アキラさん、あれ、もうそろそろ始めましょう」 「おし、そんじゃ行くか」 「はい」 俺はメリーと共に自室に入ってゆく。 さて、見せてやるとしますか。 塩と米でも、良い物が作れるって事を。 第二話 鰯も七度洗えば鯛の味へ続く 武装食堂へ戻る
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登録日:2011/09/05(月) 21 45 21 更新日:2022/02/07 Mon 13 39 28NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 14弾 あーたn かこいかずひこ アクションフィギュア アーティル カニス ガトリング・モンスター スポ魂 タカヤノリコ バリスティックブレイズ フィギュア リンクス ロリ ロリ巨乳 ヴァオー 中原麻衣 巨乳 根性!根性!!テラ根性!!! 武器庫 武装神姫 玩具 砲兵 アーティルとは…… マッハで蜂の巣にしてやんよ! ハッハー! まだまだいけるぜメルツェェェェェル!! 根性!根性!テラ根性! この三つの言葉で表せる △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- * * * + うそです n ∧_∧ n+ (ヨ(*´∀`)E) Y Y * * * * + あながち間違いでもないが n ∧_∧ n + (ヨ(*´∀`)E) Y Y * 武装神姫に登場するMMS。シリーズ第14弾として登場。 《設定》 モチーフ 山猫型 メーカー:A/cute Dynamix(アキュート・ダイナミックス) 型番:Acd024_l 機体設定 2040年アキュート・ダイナミックス社がAcd023_eラプティアスと同時に開発した機体。 本機は背部ハンガーに装備された多機能モジュールシステムが特長で、この装備はパーツの組み換えによりウエポンプラットフォーム、スラスターユニット等多くの機能を付与することが可能であり、高い拡張性を獲得している。 ヤマネコをモチーフとしたアーティルは基本的に地上戦用であるが、背部、脚部に装備されたスラスターにより立体的な戦術にも十分に対応可能。また砲撃精度の向上を主眼として、頭部と機体各所のセンサーを統合したマルチレンジングシステムを搭載し、ハンドガン等による中距離射撃、ロングレンジの対地/対空射撃において優れた性能を有している。 さらにタッグマッチにおいては同社の空戦用神姫であるラプティアスとの連携で全戦域をカバーすることが可能であり、戦術的に大きな効果を発揮する。 向上心に富み、基本的に従順なAI設定だが判断力ではやや未成熟な部分も残しているため、指導力のあるマスター向けの機体と言えるだろう。 ここまでは箱に書かれているし、フィギュアについてもまとめサイト等に書かれているので省略する さて、この神姫…… 巨乳である 巨乳である 大事なことなので二度言いました どれくらい巨乳かというと、相方のラプティアスよりデカイ tall素体のラプティアスよりsmall素体のアーティルの方がデカいのだ つまりロリ巨乳 最高じゃないか(歓喜) フィギュア発売に先駆けてBATTLE MASTERSに参戦 リアパーツ内臓ガトリングが自重していない事で有名 どれくらい自重していないかと言うと…… 一発の弾消費で二発同時発射 恐ろしいスピードでライドMAX確定 空中で撃っても落下しない ちょっと経験値を集めるだけで即装備可能 ヘビーガンにはあるまじき構えスピードの速さ とあるRAを使うと文字通りマッハで蜂の巣にしてやんよ!状態 殆どのガトリングを産廃にしかねないトンデモ兵器である 何故作ったし、コナミ 次回作にてシナリオ追加決定! 余談だが、この弾からバトルロンド用アクセスコードが付属しなくなった 何、前にも付属しなかった神姫がいるって? 知らんなぁ〜〜 尤もバトロン廃止されたからもう関係ないが 2011年11月2012年1月にリペイント版であるアーティル・フルバレルが発売された こちらは相方共々メインカラーが黒色になっており、パーツの特性と相まって多くの紳士が多々買いする事を…… 強いられているんだ! 追加パーツは肩アーマーとDLCにも出たツインキャノン『ドレッドイーター』、盾にも使える大型センサーである 余談 バトマス初期ステータス LP:400 ATK:40 SPD:4 DEX:4 CHA:40 DEF:40 アビリティ ブースト性能−1 スピード+1 DEX+1 何故かコイツの防具アビリティは移動関係ばかりである Mk-Ⅱネタバレ LP:450 ATK:40 SPD:4 DEX:6 CHA:40 DEF:40 アビリティ ナックルAC+1 ドリル−1 機関銃+1 2011年11月17日正式配信 素体:600円(前作のをDLした場合は無料) 装備:1000円(前作のを(ry) シナリオ:500円 地味に強化されて帰ってきた しかも、リアのバリスティックブレイズが二発同時発射から一発ずつ交互に撃つ形になった以外は全く修正されてなく、更に本作から追加されたガトリングスキルのお陰で凶悪化。他のガトリングを文字通り産廃にした。 というかガトリングメインの場合はコイツ一択 更にフルセット装備にしてもかなりコストが余る そんな彼女のシナリオだが…… コジマナッコゥ! ゴッドフィンガァァァッ! えぐらせて貰うで、GA エクセリオン……バスター! 何だ今のは…… 気を取り直して説明しよう 内容はやはり想像通りスポ魂モノ。 だが、このシナリオには秘密がある それは…… 今まで入手方法が不明だったRA『シャイニングナックル』が手に入るのだ! このシャイニングナックル、ショットガードを前方に張りながら相手をぶん殴るというクロスボーンX1フルクロスが愕然としてしまいそうな代物だが、皆様ご丁寧に技名を叫んでくれる。どこのGジェネだ。 しかし、謎なのは…… シナリオ配信前にどうやって手に入れたんだ、シャイニングナックル? 余談だが、彼女の初期ステータスを見て貰えばわかるが、バトマス最強兵器と名高いナックルに適性がある しかも、武器セットのカタマランブレードはナックルカテゴリー最強火力 即ち、遠距離型だから近接戦闘でボッコボコにしてやんよとホイホイ彼女に近づくともれなくナックルで逆襲される羽目になる ハッハー!暑すぎるぜメルツェェェェェル!! また、有料DLCにドレッドイーターが追加された 追記修正は彼女をMAXまで育ててからお願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] アーマードコアとどんなつながりが? -- 名無しさん (2015-02-06 10 19 16) 山猫は英語でリンクスと言うのですがそれはアーマードコアネクストのパイロットの名称と同じなんです。 -- 名無しさん (2015-02-06 10 32 05) 俺のこの手が光って唸る!根性見せよと輝き叫ぶ! -- 名無しさん (2015-02-06 10 53 37) 火器やナックルで戦うより、頭部アーマーで頭突きした方が強そうにに見える、というのは内緒だ! -- 名無しさん (2015-08-23 21 38 51) 名前 コメント
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■コテ名 「オーナー」 (よみがな)「あらえばだいじょうぶ」 (コテ名の由来ゃ愛称など) スレ名が「メンズパブ」だった為、スレ主は「オーナー」 ■トリップ ◆KDkUBqxyt. ◆PhbaBok5Jg ◆CYfNg4zux6 ◆lJsXUDinBQ ◆1/kn8ZsIto ■本人より一言 俺だって他人の精子ついた女は嫌だよ普通にだけど洗えばOKなんだよ 【性別】 男 【所在】 北の方 【生誕】 言っちゃまずいけどもうすぐ40^^;←嘘です。犯人はすぴろー←嘘です。犯人はライちゃん 【人種】 血液型はO? 【性格】 大らかで面倒見が良く、面白いw 【趣味】 もう行かないと言いながら行っちゃうパチンコ 行ってない振りして逝く中出し(*゚ω゚) ;*. ; 【好物】 ピンヒール・押入れのあけみちゃん 【口癖】 !!!1と><b 【特徴】 えろい独り言・長文・馴れ合い・煽り・・・なんでも来い? 【経歴】 自己板出身 【板歴】 自己板に来たのは2006年4月 【降臨】 出没時間帯は勤務時間w 【所属】 自己紹介板・PINK(パブのみ) 関連スレッド ■自己紹介板 ■PINKにオーナー率いるメンズパブ秘密?基地あり ■-このページの編集担当:C3/PO 何か問題など御座いましたら、コテさん ご本人ではなく編集担当者まで お知らせ下さい 【トップページ】
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{イリーガル・レプリカ迎撃指令…アンジェラス編} 「ウゥ~、夜の外は寒いなぁ~」 「少しは我慢してくださいよ、姉さん」 「はぁー、お肌がカサカサになっちゃいますわ」 「………こいつ等は~…」 「…ごめんなさい、ご主人様」 アンダーグラウンドの夜でワイワイと話す三人の神姫と気だるげなオーナー一人と済まなさそうに落ち込んでる神姫が一人。 小道や裏道を途方もなく歩く…いや、今は憂鬱に歩くといった方がいいかもな。 それは何故かって? あぁー、その答えはとても簡単で明快だ。 「あーもう、我慢できないよ!アニキ、胸ポケットに入れて!!」 そう言いながら颯爽と俺の右胸ポケットに入るクリナーレ。 「フゥ~、あったか~い♪」 「姉さんだけズルイです!私も胸ポケットに入ります!」 姉さんと同様にパルカは俺の左ポケットに入る。 「…エヘヘッ♪お兄ちゃんの匂いがします~♪♪」 「あら、それじゃあはアタシはダーリンのパンツの中でも入りましょうか♪」 ルーナが俺のズボンのチャックを開けようとしたので、ルーナの両脇に指を入れて捕まえ俺のマフラーの中に入れる。 場所的に左肩の方の鎖骨よりちょっと後ろの方だな。 「サービス満点ですね♪背中にダーリンの首の皮膚が当たり、胸から足のさきまでダーリンの温度で温まったマフラーで巻かれるなんて…感激ですわ♪♪」 そう。 こいつ等がいるのだ。 本来ならアンジェラスと二人っきりでここに来るのに、今回はフルメンバーで来てしまったのだ。 まぁなんでこんな状態になってるかっていうと…。 ☆ アンダーグラウンドの町に行くために俺とアンジェラスは仕度していた。 俺の方はとっくのとうに用事の仕度を済ませていたのでアンジェラスの仕度が終わるの待つばかりだった。 「準備万端です、ご主人様」 「よし、じゃあ気楽にいこうぜ」 「はい…あれ?この本は?」 アンジェラスは不意に視界に入った一冊の本…同人誌を見つけたのだ。 ゲッその同人誌は!? 「!………!!……ッ!!!」 中身を見て顔を真っ赤にするアンジェラス。 あちゃ~、あの同人誌は内容はレズものでしかも武装神姫のエロ本だ。 ストーリー的に言うと、アーンヴァルの股間にチンコが生えてふたなりになり、性欲を持て余し次々に他の武装神姫達を犯していく、というストーリーだ。 しかも、これも濃厚なもので結構性欲そそる本なのだ。 多分、武装神姫好きのオーナー達だったら八割の奴等は勃起するだろう。 俺も結構…え~おっふんはー! …凄く、よかったです。 「ご主人様…この本は…」 ていうか、『え~おっふんはー!』のネタは誰か解るかな? 解らない人は『ペルソナ3 ドラマCD』でググってみよう~。 俺は大ファンでかなり面白いゲームだよ。 「話を逸らさないでください!この本なんですか!!ていうか、誰に言ってるんですか?」 「何処かの平行世界の武装神姫のオーナーの人達に言ってる」 「へぇ~そうなんですか?て、そうじゃなくて!この本はなんですか!?」 「拾八禁同人誌だけど…」 「そ、それは分かります!私が言いたいのは何でこんな物があるんですか、て言いたいんです!!」 「オナニーして自分のナニをティッシュで拭く時に、そこに置きっぱにして本棚に戻すのを忘れたもんだろ」 「な、ななななっ!そんなイヤラシイことを、ストレートに言わないでくださいよ!!恥ずかしいじゃないかですか!!!」 「俺もちょっとハズイと思った」 「もう、次からちゃんと気をつけてくださいね!パルカの教育に悪いし、ルーナが読んでこれをネタに私達にチョッカイだしてくるんですよ」 「はいはい。次から気をつけますよ」 「『はい』は一回で結構です。…ご主人様がよければ…私がご主人様を慰めてあげるのに…」 「あん?なんか言ったか??」 「ナッ!?何でもないです!」 プイッとそっぽを向くアンジェラス。 その行動がちょっと俺には可愛いと思った。 「あの~お二人さん、お熱いのは別にいいですけど…」 「「エッ!?」」 突如の声に俺とアンジェラスの声が重なる。 声がした方向を見ると、目を擦りながら起きてるクリナーレとニヤニヤ笑ってるルーナと何故か顔が赤いパルカ。 なんでこいつ等が起きてるのかというと、拾八禁同人誌を見つけて俺に怒った声、アンジェラスの大声だったせいだ。 ★ ほんでもってこの状況。 二人だけで何処に行くのと三人に問い詰められて…まぁこんな感じになったわけ。 はぁ~…。 まさか、拾八禁同人誌でこんな事になるとは思わなかったぜ。 「ご主人様、ごめんんさい。私の所為でクリナーレ達がついて来てしまって…」 「はぁ~まったくだぜ。…まぁ、そういつまでもショゲルなって」 「…怒ってませんか?」 「ある意味怒りたいけど、もうどうでもいいや。だから気にすんなって♪」 「ご主人様…♪…!?走って!」 アンジェラスの声と同時に俺は走った。 一瞬ちらりと後ろを見るとポーレンホーミングの弾だった。 弾速は遅いが一発一発が高い誘導性能を持っていて、更に拳銃系の武器の中では冗談みたいな強さを誇る。 しかも一気に七発も弾を撃てるので洒落にならない。 「グラディウス!召喚!!」 <Start!> 「オプションを二つ召喚!」 <Please option two> 「一気に壊す!リップルレーザー!!」 <ROPPLE LASER!> ポワワワワー! 少し間抜けな音だが、あのリップルレーザーはそれなりに使える技だ。 あのレーザーの特徴は円型に広がるレーザーを撃つことが出来て、撃ったレーザーは最初の段階は小さい円が、距離を伸ばす事によって円が大きくなり敵に当たる確立が高くなる。 避ける事もかなり厳しくなるレーザー。 グラディウスで撃った瞬間、二回レーザーが飛び出すのでオプションと合計すると六個のレーザーがポーレンホーミングの弾目掛けて飛んでいく。 ボカーン! ドカーン! ポーレンホーミングの弾とリップルレーザーが当たり爆発する。 俺は止まり爆発してる方向に振り返る。 フゥ~、なんとかアンジェラスが守ってくれて助かったが、こうもイキナリ狙われるとはなぁ。 人間も襲われてるのは本当らしい。 「きゃははっ!貴方達凄いね。私の攻撃を防ぐなんて初めて見たよ♪」 上空から声が聞こえたので少し顔上げて見るとそこに居たのは花型ジルダリアだった。 「早く始めようよ!モタモタしてると、日が暮れちゃうよ!!」 あの野郎ー、笑ってやがる。 確かイリーガル・レプリカ迎撃指令の討伐データには、花型ジルダリアあったはず。 えぇーと、名前はⅢ-Rep/ジャスミン、確かこの名前のはず。 「アンジェラス、奴はⅢ-Rep/ジャスミンだ。油断するなよ、レベルはかなり高い!」 「まかせてください、ご主人様!クリナーレ達はご主人様を守って!!まだ敵はいるかもしれないから!!!」 真面目な顔つきでクリナーレ達は無言のまま顔を立てに振る。 そしてそれを確認したアンジェラスは俺にニコヤカに笑みを見せた後、ジャスミンに向かって飛んでいく。 大丈夫なのだろうか…? 前に夢で会ったアンジェラスがあいつの身体をのっとり人格が入れ替わったような感じがしたけど…。 アンジェラスの視点 「きゃははっ!バトル、はじめちゃうよーっ!!」 「私は…負けない!」 空高く上昇しながらジャスミンに向かってグラディウスで斬りつけようとする、が。 ブオン! 「遅い遅ーい!」 「次は外しません!」 体勢をたてなおし再度グラディウスを振る。 ガキン! 「くっ、あっぶなーい!」 「防がれましか!」 モルートブレイドとグラディウスがぶつかり合い火花が散った。 剣同士が擦れ合いギリギリ、と音を出しながら私はジャスミンを睨みつける。 「そんなに睨まないでよ~。バトルは楽しくしましょ?」 「あなたはご主人様に怪我させようとしました!許せません!!」 「怪我をさせようとしたんじゃないよ。殺そうとしたの♪」 「!?ッ!アアアアァァァァーーーー!!!!」 ギリギリ、ガキン! ジャスミンの挑発に乗り、私はグラディウスに力を込めてモルートブレイドを弾き飛ばした。 するとジャスミンは一度後退して銃器を取り出す。 「えぇーい!」 プシャーーーー ジャスミンが持つ銃から霧じょうの物が噴射され私に向かって飛んでくる。 フレグランスキラーの攻撃範囲広すぎて避ける暇がありません、ここは。 「フォースフィールド!」 <FORCE FIELO> 私の周りに青い光が出現し包み込むような形になり、フレグランスキラーから噴射された高圧噴霧の攻撃を防ぐ事が出来ました。 ご主人様が作ってくれた武器に防具。 とても便利です。 「あんたの武装、かっこいいね!あたしのと交換しない?」 「誰が貴女なんかにあげるもんですか!これはご主人様が私専用にくれたものです!」 「ケチー!いいもん、あなたを破壊してから貰うもん!!」 グラースプアイビーを取り出し私に向かって猛スピードで迫ってくる。 今です。 「ツインレーザー!」 <TWIN LASER> ババババババババーーーー!!!! 連射速度が速いツインレーザーがジャスミンを襲う。 ジャスミンは避けようとしたが私に向かっていたのでそう簡単に針路変更が出来なく、そのままツインレーザーの的になる。 「きゃああ!」 グラディウスとオプション二つ分のツインレーザーが容赦なくジャスミンの身体を貫く。 両手、両足、胴体…。 そこらじゅう蜂の巣みたく穴だらけにされ完全に機能停止したジャスミンはアンダーグラウンドの深い闇に落ちて消えていった。 「さようなら…ご主人様に攻撃したのが運の尽きでしたね」 私はグラディウスを一振りして、大好きなご主人様の所に戻って行く。 イリーガル・レプリカ達はオーナーの存在というものが無いみたいだから好き勝手やっている。 だから平気で人間を襲う。 これは早急にイリーガル・レプリカ達を殲滅しないとご主人様が危ないです。 私はリアウイングM‐88対消滅エンジンをスピード上げてそんな事を考えていた。 …もう一人の私はどう思っているのか? 今日はあの『声』は聞きませんでしたが…できればもう聞きたくないです。
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「ねえおじいちゃん、この店って地下室あるよね?」 「ん? 倉庫に自家発電室に物置部屋が二つな」 ふと聞いてみたの。 「物置っても、片方鍵かかってるの変だよ」 「フム、その内な」 「けちー、今でもいいのー」 どうして教えてくれないの? わたしなにかまずい事言った? ~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~ 夜、閉店後。 「……スィーマァ」 「みゅ…どうしたんですか? ますたー」 「名目上第二物置になってる地下室を偵察してきてなの」 「ふぇっ!?」 夜の地下室は不気味だというのに、すすみはあろう事かスィーマァに頼んだ。 「い…いってきますぅ…」 明らかに足がガクガクしてるが、すすみは黙って見送った。 …… 自分サイズの懐中電灯(フラッシュライト)を手に、スィーマァは神姫にとっては少し大きい段差を降りて行った。 消灯後の地下は光源がなく、常に足元を照らしていないと階段から転げ落ちてしまうだろう。 「こわい……怖いよますたー…」 今にも泣きだしそうな丸い目。 でも、オーナーのために勇気を振り絞る。 首を回し入れそうな穴がないかを調べる。 「あ」 扉のとなりにあった小さなセラミックパネルはねじ止めされておらず、奥は…第二物置。 「何で止めてないんだろ…」 疑問を感じつつ穴をくぐるスィーマァ。 … 穴をくぐると、無数のショーケースが目に入った。 誰もいないのにライトアップされており、中身を照らしていた。 「…武装神姫」 ケースより上にある棚にはフルセット・武装セットがずらり。 品薄なアーンヴァルとストラーフ、アークも他と同じだけ数がある。 ふと、ショーケースに近づき中を覘く。 人気商品から聞いたことのないメーカーの品まで何でも置いてあった。 「ああっ!?」 スィーマァの目にとまったのは、信号銃。 でも、それを見る目が明らかに違った。 「カ…カンプピストル! 神姫用も作られてたんだ…!!」 知らない人のために説明しよう。 1930年代にワルサー社がドイツ陸軍の要請に応え、信号銃を小型の榴弾銃にしたものがカンプピストルである。 最終的に軽装甲の車両なら破壊できるほどの威力を保持するようになるなど、ある意味「対物拳銃」といった感じだろうか。 「………」 思わず涎までたらし、目を輝かせながらそれを見つめるスィーマァ。 ムルメルティアのモチーフがドイツ戦車なので、その影響もあるのだろう。 「警報装置は…ない…ね」 使い慣れないアイパッチのセンサーを使い、危険がないことを確認するとそっとケースを開けた。 そしてカンプに手をのばす。 ああ…憧れの品の一つを、いま手にできる。 あと数センチ……。 「何者だ」 後ろから声をかけられ、動きが止まる。 殺気が背中を突く。 「身なりからして野良ではない…、盗人か?」 スィーマァの心は早くも恐怖で覆われていた。 具体的に表すと 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い ってなくらいである(なんだそりゃ) 関係ないが、単語の集まりって怖いよね。 気が弱いスィーマァにこれが耐えられるはずもなく… 「ぴいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ」 「!?」 奇妙な悲鳴と共に泣きだした。 「ごごごごごめぇんなぁさぁぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃ」 涙と恐怖のあまりちゃんと喋れてない。 ドタドタドタドタ 地上の方で木製の階段を駆けおりる音、 カッカッカッカッカッカッカッ 少しして地下へ続くコンクリートの階段を駆け降りる音。 ガチャッ ダァンッ! ドアが勢いよく開いた。 「スィーマァ!?」入って来たのはすすみとおじいちゃん。 「まぁすたぁぁぁぁぁっ!?」 号泣したまま飛びつくスィーマァ、すすみのパジャマが涙でぬれてゆく。 「オーナー、私じゃ対処する事が出来ないぞ」 「まぁまぁ、これも経験だよ」 声の主と話すおじいちゃん。 紹介が遅れた。 おじいちゃんの名は古代十三三、この店の店長である。 そして声の主―フォートブラッグ―のオーナーでもある。 「おじいちゃんこの売り場って、それとその子…」 「んー、友だちに話されたらまずいから黙っていたのだよ」 「ええっ?」 十三三は少し首を傾け、目をつむって言った。 「若い子らの間で「あれがあの店にあったぞ!」だの「珍しいものが山ほど置いてあったぞ!」と騒がれると、店が荒れてしまうんだ。だから念には念をと言う訳だ」 「おじいちゃん、そんなにわたしが信用できないの…?」 すすみは呆れざろうえなかった。 彼女はかなり口が固い、それこそ湯煎する前のシジミのごとく。 「いや、どうも今のすすみを掴みきれてなくてな。小さい頃とどうしても被ってしまうんだ」 ふっとため息を吐くすすみ、そして聞く。 「でも、信頼が置ける人なら教えてもいいの?」 「それは勿論さ。ここはしっかり"理解している人"のための売り場だからね」 十三三は手を伸ばし、フォートブラッグを手にのせすすみの前へ。 「紹介しよう、"ナァダ"だ。すすみが来る前から店を手伝ってもらっている」 「宜しく、お嬢」 "お嬢"という呼び方はどこで習ったのか、気になるところだが。 「よろしくね。…ほらスィーマァ、もう怖くないから自己紹介」 「うう……、スィーマァです」 若干怯えつつ、手をのばすスィーマァ。 ナァダはその手をしっかりと握った。 「宜しく、スィーマァ」 そんな小話を繰り広げるは、22 10分の「古代モデル店」であった。 特攻神姫隊Yチーム?に戻る トップページ
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愛と情熱のタッグバトル 前編 『やったー、今回も來華選手の大勝利だーっ!!』 とあるバトル会場、竜崎賢市率いる『チームフレグランス』は経験値稼ぎと言わんばかりに地域大会に出場、堂々と勝利をつかんだのだった。 「おつかれ來華、今日もいいファイトだったよ」 カプセルから出てくる來華を賢市は迎えてあげた。 「もち、楽勝だったよ。必殺の『六方爪激斬』、見てくれた?」 「ああ、ここ数ヶ月お前も腕を上げたようだ。僕もお前の事を誇りに思ってるよ」 しかし賢市の側で思わしくない顔で見ている人、いや神姫がいた。 「あ、あれ?凛花姉、嬉しくないの?」 來華の質問に凛花は何食わない顔で答えた。 「さっきの試合を見ていたけど、あなたは相手に突っ込み過ぎる癖がありますわね」 あくまでも冷静な視線でバトルを見ていた凛花は、妹に対して冷たい言葉を発した。そのような態度を見た來華は、少し落ち込んだ感じになった。 「い、いや、あれはね、一気に片付けた方がいいからそうしたからであって…」 「今日は勝てたからいいものの、一歩間違えたら來華、あなたは敗れてたかもしれないのよ。それにあの技、見栄えがよくありませんわね。それなら私の『昇龍天雷』のほうが美しく決まりましたのに」 駄目押しといえる突っ込みに、來華はますます落ち込んでいった。 「ううっ、けっこうがんばったのに…」 「まあいいじゃないか」 後ろから賢市が落ち込んでいる來華にフォローを入れてあげた。 「今日だってお前はがんばったんだし、闘い方も悪くはなかったよ。まあ、これからの事を考えるともう少し努力が必要かな」 「主人、フォローになってるのかなってないのか分かんないよ~」 どうやらフォローを入れるどころか、混乱させる原因になってしまったようだ。賢市は気を取り直して來華を肩の上に乗せた。 「まあ、今日は來華のために何かプレゼント買ってあげるよ。とりあえずこれで機嫌直してな」 それを見ていた凛花は呆れた顔で賢市を見た。 「まあ、ご主人ったら來華には甘いんですから。でも今回は大目に見ることにしますわ」 來華を肩に乗せたまま会場を後にする賢市を後ろで追いかけながら、凛花は少しだけ笑みを浮べた。 次の朝、賢市の家に訪問者が訪ねてきた。 「こんな朝早く誰が尋ねてきたんだ?事務所の人にしてはまだ早い時間帯だし…」 モニター越しから訪問者の顔を見てみると、そこにはガッチリとした体型の男が立っていた。 「どなたですか、何か御用でも?」 「すいません、竜崎賢市さんいらっしゃいますか?」 やっぱり自分に用がある客のようだな…。賢市は服を着替え、客を応接間に案内した。 「始めまして、私はこのようなものでございます」 男は名刺を賢市に渡した。そこには『メディアトライブ』の営業部員、「和多清治」と書かれてあった。 「どのような御用ですか?仕事の事できたのでしょうか?それとも僕の芸術品のことについてでしょうか?」 「実はあなたが最近武装神姫を始めたとのうわさを聞いたのですが、どのようなことがきっかけで始めたのでしょうか?」 なるほど、営業部員というよりはジャーナリストというわけか。賢市はすこし頭を下げ、こう答えた。 「別に答える必要はありません。僕はただ有名になりたいだけですから」 賢市はあまりインタビューに答えるということはしない性質である。今までもそれほど目立つようなことをしてはいなかったのだ。記者会見だって数えるほどしかしていないのである。 「では、私の相棒と闘っていただければお答えいただけますか?」 和多は自分のトランクを机に置き、中を開けた。 「これは…?」 これを見た賢市はこの男が尋ねてきた本当の意味を知った。トランクの中には二人の神姫が賢市をじっと見ていたのだ。 「お恥ずかしながら私も神姫のオーナーをやっておりましてね、右にいる朱色の髪の子が「ヤクト」、左にいるピンクの髪の子が「カウベル」です。まだそれほどバトル経験を積んでおりませんが、お相手できればと思いまして伺いました」 そうか、この男は僕の神姫たちを試そうとしているわけだな…!賢市の心はもはや決まったも同然だった。 「なるほど、こういうことでしたか。僕の神姫とあなたの神姫、どちらが強いか決めたいといいたいわけですね」 「いいえ、これはあくまでも模擬試合のようなものです。もちろんあなた方の神姫を破壊するような事はいたしませんし、あなたにとってもプラスになることだと思いますが」 プラスか…。この男は何のために凛花たちを戦わせようとしているんだ…?和多の口実に疑問を持つ賢市は話を進めることにした。 「詳しく説明していただけませんか?回答によっては僕も考えてもいいですが」 「実は私、新しく開発したリングの試験者として選ばれましてね、神姫を一組所有している対戦相手を探してほしいと頼まれまして、あなたの噂を聞いてわざわざご自宅まで訪問してきたのです。もちろんそれ相当のものはご用意しております。宜しければご対戦していただけませんでしょうか?お願いします」 新しいリング…それに凛花と來華がデビューする…。悪くはないな。賢市は和多の条件をのむことにした。 「分かりました。それではいつ試合を?」 「それはお決まりしだい電話かメールでお伝えします」 「そうですか、それではこの名刺に連絡先とアドレスが書かれていますので、ここに連絡してください」 賢市は和多に名刺を渡した。そして彼に凛花たちに合わせてみようと思った。 「宜しければうちの神姫たちに合わせてみますか?彼女達も喜ぶと思いますが」 しかし和多は時計を見ながらそれを断った。 「申し訳ありませんが、もう会社へ出勤する時間が近づいていますので、これにて失礼させていただきます」 「もしかしてあなたはわざわざ勤務外にここに尋ねてきたのですか?こちらこそ申し訳ないことをしてしまいました」 この時賢市は和多の意思が本物だと言う事を実感した。なぜなら普通そんなことをしなくても予約を取って勤務中に訪問するはずである。それなのにこんな事をしてまで訪問するということは、彼の決意は相当のものだということになる。賢市は彼の目を見て改めて決意する事にした。 「では、数日中にご連絡いたしますので。失礼しました」 扉が閉まり、応接間に残された賢市の顔には僅かながら笑みがうかんでいた。 「まさかこんなことになるとはな…。これは凛花や來華にとっても経験を積むチャンスだし、僕にとってもさらに注目を浴びるチャンスになるはずだ。何せ相手の会社は世界で有数の企業、アークトランスだからな」 賢市はあのトランクの内側に書かれていたメーカーの名前を見ていたのだ。まさかトランクを開けた本人がその企業に関わっていたとは、それを見るまでは思いもしなかった。メディアトライブというのは関連会社なのだろう。だがこれではっきりした。これは神姫界に自分の名前を売り込むチャンスだ。 「さっそく二人を起こしてそのことを伝えるか。これから面白くなるぞ」 賢市は応接間を後にし、二人がいる居間室に向かった。 数日後、和多から電話がかかってきた。 「お待たせしてすいません、試合日と試合場所が決まりました。4日後の午後2時に集合、場所はサテライトスタジアムです」 サテライトスタジアム…?そこは建設中の場所のはず…。賢市は建設中の施設がなぜ試合会場に選ばれたのか分からなかった。 「そこはまだ立ち入りできないはずなのでは…?」 「前にも言いましたが、この試合は新しいリングのテストも兼ねています。そしてサテライトスタジアムはロボットバトル会場のステージでもあるのです。そこであなたをお尋ねしたのです」 なるほど、そういうことか。試合会場と聞いたが、こんな場所を試合場所に指定してくるとはな…。賢市は少し後悔していた。 「それで、そこまでは車で来たほうがいいですか?」 「そうですね、裏に仮の駐車場がありますからそこで待ち合わせしましょう。そこからは私とスタッフがご案内します」 「分かりました。では、試合楽しみにしてますよ」 「こちらこそ。あの子たちも闘えるのを楽しみにしていますから。それではこれで失礼します」 電話がきれ、賢市はすこしやるせない気持ちになった。 「会場は建設中のバトルステージ、それも極秘扱いときたもんだ。たとえ闘っても公式の試合じゃないから注目されるわけじゃないしランクが上がるわけでもない。それにどうして極秘でやらないといけないんだ?」 ソファーに座った賢市はそのことを考えた。 「建設中の会場とそこに隠されたバトルステージ、それにスタッフと言ってたな…。おそらくアークトランスのスタッフだろうな。こりゃ本当に新ステージのトライアル…だな」 そこへ模擬バトルを終えた凛花と來華が賢市の側までやってきた。 「主人、今回の試合点数、最高得点取ったよ。ここまで得点取るのに苦労したんだから」 「あのね來華、最高得点といっても模擬試合の中で、でしょう?そんなこと言いたいなら本番で勝ってからにしたら?」 相変わらず冷静な口調の凛花に、來華はむすっとした顔になった。 「凛花姉はいっつもそうなんだから。良くやったわね、來華、なんて一言も言ってくれないんだもん」 「あら、本当のことを行っただけですわよ。こんなことで怒るのはあなたが単純だからでしょ」 一触即発の状態になりかける二人に、賢市はなだめるように止めた。 「まあまあ、二人ともやめておこうか。それより今度の試合が決まったぞ。4日後にサテライトスタジアムで試合をするそうだ。相手は二人だからタッグマッチと言うことになるだろうな。その間にコンビネーションを完璧にこなしておくんだ」 賢市の一言で、二人の口げんかはぴたりとやんだ。 「そ、そうでしたわね。タッグですもの、二人で力を合わせないと」 「そうそう、早いうちにコンビネーション磨いておこうよ、凛花姉」 こんなところは素直な二人である。いくら口ケンカしていてもすぐに仲直りしてしまうのだ。 「そうだ、今日は新しい武器を購入しようか。今の武器も改良しないと」 「そういえば私、今回の試合用にあの武器を購入したいと思ってますの。宜しければ…」 「それじゃ、こっちも何か買ってもらおうかな~」 それぞれ注文を言ってくる二人に、賢市は喜ぶように答えた。 「そうだな、今日は好きなものかってやるよ。じゃ、出かける準備でもしようか」 「賛成!」 そんなわけで賢市達は市街地にあるショップまで車を走らせる事にしたのだった。 中編へつづく もどる 愛と情熱のタッグバトル 中編へ